● 「姓(かばね)」とは
大化の改新(645年)以前の姓(かばね)とは、古代豪族が家系によって世襲していた職名でした。
それが、やがて家系そのものを指すようになりました。
臣(おみ)・連(むらじ)・君(きみ)・別(わけ)・造(みやつこ)・直(あたい)・首(おひと)・村主(すぐり)などがありました。
< 氏 >
氏とは、代々血族が子孫に伝えていった家系による「家の称号」ですから、変わる事はありません。
古代には、大氏(おおうじ)と呼ばれる本家のもとに小氏(こうじ)が集まり、氏の長(おさ)が一族を統率していました。
統率者は「氏上(うじかみ)」と呼ばれ、その下に「氏人(うじびと)」と血縁集団を造り、職業も世襲していたので、その職名が氏族の称号になりました。
例えば、軍事を司る大伴(おおとも)・物部(もののべ)。職人集団は、土師(はじ)・弓削(ゆげ)などが代表的な氏族です。
戦国時代にかけて、有名な「源(みなもと)」「平(たいら)」「藤原(ふじわら)」「橘(たちばな)」は有名です。
< 苗字 >
苗字とは、現在「小林」・「鈴木」は本来苗字だったものです。
通称みたいなものでした。
平安時代に栄えた「藤原氏」を例にとると、
・加賀の藤原氏は、加藤
・安芸の藤原氏は、安藤
・近江の藤原氏は、近藤
・伊勢の藤原氏は、伊藤
などのように、土地名と人の名前には深い関係があります。
因みに、あの織田信長のフルネームは、
「平 朝臣 織田 左衛門尉 信長」(たいら あぞん おだ さえもんのじょう のぶなが)
・平 ・・・ 氏
・朝臣 ・・・ 姓
・織田 ・・・ 苗字
・左衛門尉 ・・・ 官職名
・信長 ・・・ 名
となります。